NT-proBNPとは
臨床・検査基礎講座
心不全の診断や病態把握のためにB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の血中濃度を測定することは、すでに実地臨床で頻繁に行われています。図1に、心筋細胞におけるproBNPからのBNP解離と循環血中への分泌を示します。
心筋細胞に対するストレス(左室拡張期圧上昇、左室拡張期容積増大、左室肥大、壁運動異常、心筋虚血など)によりproBNPの生合成は急速に亢進します。このproBNP(1-108)は蛋白分解酵素(furin)により分解され、血管拡張作用、Na利尿作用などの生理活性を有するBNP(77-108)を解離し、BNP(77-108)と生理活性の無いN末端proBNP(NT-proBNP、1-76)が循環血中に分泌されます。