B) D-dimerによる急性大動脈解離の評価(除外診断)
臨床・検査基礎講座
従来、急性大動脈解離の診断はCTやRI、血管造影画像によってなされており、血液生化学マーカーの診断意義はあまり注目されませんでした。しかし近年、各種血液生化学マーカーの有用性に関する報告が相次いでなされ、早期リスク層別化、初期診療判断に活用されています。
D-ダイマーは安定化フィブリンの分解産物であり、血中濃度の上昇は二次線溶、すなわち凝固機序の活性化に際して反応性に線溶機序が亢進していることを意味します。特異度は低いので、胸痛・背部痛の評価ではむしろ除外診断マーカーとしての意義が大きいと考えられます。