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リスターによる滅菌概念確立(Lister, Joseph:1827-1912)

リスターは、医療の領域で滅菌の概念を確立し手法を開発した人で、論文は1867年のランセット掲載ですか、日本では明治維新の1年前です。論文は、本来発表されたLancet誌の他に、BMJ(Brit Med J.)も復刻して、いずれもインターネットで読めます。また全文の朗読が"Project Gutenberg"にあります。朗読者の名前は、聞き取れた限りでは"Martin Clifton"で、朗読時間は31分で本文全体をカバーし、MP3形式で約14MBです。

滅菌の歴史で「ゼンメルワイス」という偉人が登場します。ウィーンで滅菌法を確立して産褥熱の発生率をそれまでの数十%から2%まで下げたのに、その主張が受け入れられず逆に反発されて追放されました。ゼンメルワイスが迫害されたのに、リスターの主張は受け入れられたという、両者の逆の関係が興味深い点ですが、リスターの論文を読むとパスツールを下敷きにしていたのがわかり、それを表に示します。

パスツールの事跡とゼンメルワイス、リスターの年代的関係をみると、二人の間にパスツールがすっぽりはまります。つまり、ゼンメルワイスは一人で闘ったのに対してリスターはパスツールという巨人の業績を背景に自ら闘う必要がなかったわけです。

ついでに。「リステリン」という口内滅菌薬が今もあります。アメリカの人がリスターに頼んで命名し当初はリスターに礼金を支払っていた由ですが、今はどうでしょうか。商品自体は現在もあり、液体以外にオブラートに加えた口内殺菌用もあります。

リスター:滅菌の理論と実際

参考文献:
Lister J. On the Antiseptic Principle of the Practice of Surgery. Lancet 1867.21巻(2299号、9月21日発行.)
「グーテンベルク」("Project Gutenberg")に、同じ論文の朗読が載っています(http://www.gutenberg.org/files/20196/20196-h/20196-h.htm)

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