2,3DPGの化学
通常の解糖系は、図のように1,3DPGから3PGに直接向かう。ここは、ATPが一個生成される「エネルギー産生のステップ」である。ところが、赤血球内にはここをバイパスする側路があって、2,3DPGという特殊な物質を産生する。この側路を通るとATPができないのでエネルギー的には無駄になってしまう。2,3DPGの存在は1930年頃確認され、側路の反応も1950年代初頭に判明していたが、2,3DPGがヘモグロビンと結合して酸素解離曲線に影響するという化学と生理学の意義の判明したのは、1960年代の終りである。