二つのシャボン玉とゴム風船を連結して、境のコックを開いて通気させる。
ゴム風船は両者がほぼ同じおおきさになる。これに対して、
シャボン玉は、一方が大きくなり、他方が小さくなる。
シャボン玉は「大きいほうの内圧が低い」が、ゴム風船ではサイズと内圧が並行するからである。
ただし実際のゴム風船は、小さいほうの内圧が高い場合があるようだ。(膨らまし始めに力が要る)。ゴムが単純な弾性体ではない故であろう。
肺胞表面活性物質の働きは二つある。
1. 表面張力を下げて膨らみやすく、膨らんだ状態を維持しやすくする
2. 表面張力を「面積と並行する性質にする」(シャボン玉でなくてゴム風船にする):「全部膨らむ」
なお、「肺気腫で隣接する肺胞の一方が小さくて他方が大きな気腫になっていることがある」のは、このメカニズムで純粋に物理学の現象として説明できる。これは私(諏訪邦夫)の仮説。