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飛行機で眠る危険

「飛行機内で眠ることは危険」であることを示す図。

30秒の呼吸停止で、飛行機内では動脈血酸素が大きく低下する。

経過時間 Spo2の差

0秒2.4%

10 3.7%

20 6.1%

30 10.2%

1) そもそも気圧が低いので、呼吸していてもSpo2が少し低い。

2) 肺内酸素量が少ない(低圧なので)が、酸素消費量は不変。

3) だからPAo2は、呼吸停止で大きく下がる。

4) しかも、酸素解離曲線は急峻部になる。

結論:『飛行機内で酒を飲んで眠るのは危険!』

注意:飛行機内は低圧です。機種と飛行条件で違いますが、大体4/5~3/4気圧で、高度に換算すると1500m~2400mの高地と同じです。ヨーロッパやアメリカ東海岸に飛ぶときは、搭乗時間が10時間を超えるので必ず眠ります。上記の危険を承知して下さい。酒を過ごさないように。

長距離飛行の危険は肺塞栓だけではありません。潜在的な肺機能障害があれば、危険はさらに大きくなります。

参考:高度と気圧

[諏訪邦夫]

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