クローのノーベル賞:
クローは肺と呼吸の領域ではガス分泌説を決定的に否定した点と、妻のマリーと協力して発見した肺拡散能測定法(一酸化炭素を利用す)とで名高い。しかし、ノーベル賞の対象となったのは毛細管の研究である。当時、筋肉では安静時と運動時でエネルギー所要量が何倍も、時には何十倍も異なることが判明していた。クローは次の3点を明確にした。
1)安静時には開いて血液の流れている毛細管の数が少ない。(図の○)
2)運動時には、血液の流れる毛細管の数が増える。(図の●も加わる)
3)毛細管を流れる血流速度は速いので、流速増加はガス交換増加に役立たない。
このような問題をノーベル賞受賞講演で明快に述べている。http://www.nobel.se/ より