ガスが溶煤に物理的に溶けるだけなら、
ガス含量=ガス分圧×定数: この「定数」が溶解度。 (ヘンリーの法則)
酸素と二酸化炭素では、これはあてはまらない。
酸素:血液のヘモグロビン、組織のミオグロビンは酸素と「化学的に、可逆的に結合」する。
その際の分圧と量の関係が、酸素解離曲線。
したがって、酸素含量=結合酸素+溶解酸素 の二つのコンポーネントからなる。
二酸化炭素:こちらは、酸素と比較するとずっと複雑。
1. 二酸化炭素は水によく溶ける。
2. 水と化学的に反応して、炭酸(H2CO3)になり、これがH++ HCO3- に解離する。
3. 細胞内(赤血球内)と細胞外(血漿)とは[H+]環境が違うので、上記解離も異なる。
4. H2O +CO2 の反応は、炭酸脱水酵素がある状況(赤血球内など)では速く、ない状況(血漿)では遅い。赤血球膜は、HCO3-を透過させる。
5. それ故、組織で血液に入ったCO2は赤血球内でHCO3-となり、それから血漿に出て運搬される。
6. CO2は、ヘモグロビンのようなたんぱくと直接結合する。血漿たんぱくとも少量ながら結合する。