フィックの拡散の第一法則
「拡散量(単位面積、単位時間当たりの)は、濃度勾配に比例する」という法則。比例定数が「拡散定数D」である。
Ji =-D i(∂Ci/∂x)
フィックの拡散の第二法則
「拡散現象での濃度の時間変化を記述する」法則。比例定数が「拡散定数Di」である。
∂Ci/∂t =Di(∂2Ci/∂x2)
こちらは2次偏微分方程式なので、初期条件と境界条件を与える必要がある。
フィックの拡散の法則:フィックが1855年に発表した「拡散」に関する物理法則。この時、フィックは26歳であった。(このフィックは、「フィックの原理」のそれと同一人物。)
内容は第一法則と第二法則とに分かれる。
論文は Fick A. Uber diffusion. Ann. Phys(ik) . 1855:94:59-86. (東大図書館所蔵。)
上記の偏微分方程式が書いてあるのをみると、フィックは生理学者で物理学者、しかも数学もよくできたと感心する。しかも若干26歳!
この翌年には世界最初の「医学物理学」を書いているというが、どんな内容なのだろうか。(DieMedizinische Physik. Vieweg,Brauchschweig. 1856)