総酸素濃度(ctO2)は血液中の総酸素量を表し、血漿中に溶解した酸素濃度とヘモグロビンに結合した酸素濃度の合計です。ctO2は酸素含量とも呼ばれます。これは、酸素分圧(pO2)、酸素飽和度(sO2)、および血液中の総ヘモグロビン(ctHb)から病的ヘモグロビン(カルボキシヘモグロビン(COHb)とメトヘモグロビン(MetHb))を差し引いた、機能性ヘモグロビンの濃度により得られる演算パラメーターです。したがって以下のように表すことができます。
ここで αO2(血液中の酸素の溶解度係数) = 0.0105 mmol/L/kPa
(0.00314 mL/dL/mmHg)
ctO2の基準範囲- 例:
男性: 8.4~9.9 mmol/L (18.8~22.2 mL/dL)
女性: 7.1~ 8.9 mmol/L (15.9~19.9 mL/dL)
組織細胞への酸素運搬
重症患者は特に組織低酸素の影響を受けやすく、組織酸素化の適切さ(妥当性)を測定すること(組織酸素化が十分であるか確認すること)はクリティカルケアにおいて非常に重要です。酸素運搬量(DO2)は心拍出量(Q)と動脈血のctO2の積なので、以下のように表すことができます。
詳細についてはAcute care testingハンドブックを参照してください。
ctO2をなぜ測定するのか?
ctO2は血液中の酸素量を表し、臓器障害・不全の主要因子である組織低酸素症のリスクの判定、および酸素補充療法や赤血球輸血の必要性を判定するために使われます。